ビターな魅力で魅せる人気種!チョコレートグラミーの仲間|熱帯魚・アクアリウム | 熱帯魚やアクアリウムを始めたい方、趣味としている方、熱帯魚、アクアリウム情報に興味のある方に向けた熱帯魚、アクアリウム総合マガジン

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ビターな魅力で魅せる人気種!チョコレートグラミーの仲間

赤!黄!青!煌びやかさがウリのものが多くを占める熱帯魚の世界ですが、その中にあって、かなり地味な色彩ながら何故か高い人気を誇るのが『チョコレートグラミー』。今回はそんな目立たないけど愛されて止まない小型種・チョコレートグラミーの仲間を紹介していきます♪

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チョコレートグラミー Sphaerichthys osphromenoides osphromenoides

 

元祖チョコレートグラミー。スマトラ東南部からマレー半島南部の主に『ブラックウォーター』な水域に生息。体色はこげ茶と白・別段ヒレが派手とかそう言ったところもない、十分に地味なお魚ですが、「ごく一部の人」と言い切れないほど多くの人々が求める人気種です。ちょっと尖った口先とか体に比して大きめの瞳とか、あるいはその身のこなしか佇まいか・・・なんかイイ感じなんですよね。最大サイズは5cmほど。

 

チョコレートグラミー“セラタネンシス” Sphaerichthys osphromenoides selatanensis

ボルネオ島カリマンタン中部以南に分布するらしいチョコレートグラミーの亜種。元祖チョコレートグラミーに比べ体色がより暗く、またそのためか体側の白ラインやヒレの赤みが目立つ傾向があるようです。体型や習性は原名亜種と同様です。入荷頻度は低め。

 

スファエリクティス バイランティ♂

 

スファエリクティス バイランティ♀

スファエリクティス バイランティ Sphaerichthys vaillanti
インドネシアの西カリマンタン州の奥地に生息するこのグループ随一の美麗種。一般的に「オスの方が派手」が定説のグラミー類においても異彩を放つ『メスがド派手』なお魚で、かつて日本国内ではメスが『オス』と誤認されていた経歴があります。チョコレートグラミーより細身な体型をしており、色が出ていなくても誤認されることはなさそうです。最大サイズは5cmほど。かつては幻の美魚だった本種も、最近はなんと養殖物も出回っているようです。

 

スファエリクティス アクロストマ Sphaerichthys acrostoma

ボルネオ島・カリマンタン島に分布する本属最大種。色彩は若干緑を帯びた明るめの褐色で喉元と目尻に赤いラインが入ります。成熟した個体は腹部に褐色の横縞が入りますが、入るほうがオス(あるいはメス)という相反する情報が・・・。この縞を派手さと見るかどうかでも判断が変わってくるのですが、実際どっちだってばよ!?最大サイズは10cmほど。

 

パラスファエリクティス オセラートゥス Parasphaerichthys ocellatus

ミャンマー北部・インドージ湖周辺水域に生息する小型種。その特徴的な眼状斑から“アイスポットグラミー”の名も持ちますが、国内では“ミニチョコ”“ビルマチョコ”等のほうがメジャーと思われます。最大サイズは最大サイズは3cmほど。

 

パラスファエリクティス リネアトゥス Parasphaerichthys lineatus

1998年に初めて入荷されたミャンマー南部産の小型種。体型・体色は前種同様ですが、眼状斑は無く、黒褐色の帯が目立つお魚です。最大サイズは3cmほど。実は全く地味と思われている本種の婚姻色は鮮やかな黄色と黒のツートンカラーという情報あり。これはぜひとも飼い込まねば!!

 

飼育について

生息域の水質に近づけるさまざまな用品類。

一般的なグラミー同様に極端に臆病な面はないお魚ですが、輸送疲れのためか輸入直後の状態の悪さに定評があり、同じく導入後の状態降下にクセのあるアルタムエンゼルと並んで『飼育難』種として有名です。症状としては主に肌荒れ・ヒレの壊死が出るので、水が黄色くなるタイプの魚病薬を使用してトリートメント期間をしっかりもうけるのが良いと思われます。飼育に関しては極端なアルカリ側・高硬度でなければ問題ない程度に丈夫ですが、現地の水質は低硬度・低PHの『ブラックウォーター』なので、本種メインで飼育を試みるならピートモスやマジックリーフなどを使用してみるのも良いかもしれません。エサは一般的な小型魚用のもの・冷凍アカムシ等が使用できますが、若干スローイーター傾向があるので一度の投入量を工夫してあげると良いでしょう。

 

繁殖について

 

多くのグラミー類は水面に泡巣を作り育児をする“バブルネスト・ビルダー”として有名ですが、チョコレートグラミーの仲間はオスが卵が孵化するまで口内保護する“マウスブルーダー”です。稚魚のエサはそのサイズが比較的大柄なためブラインシュリンプ幼生が使用できるそうですが、冷凍物は食い付きが悪いようなので最初期は孵化させた幼生を与えるのがベストでしょう。ちなみにParasphaerichthys属のいわゆる“ミニチョコ”の仲間はバブルネストビルダーなんだとか・・意外なり。

さて今回は地味系だけど多くのアクアリストから愛されて止まない小型種・チョコレートグラミーの仲間を紹介しました。機会があればぜひ一度飼育・繁殖にチャレンジしてみてくださいね♪