肥満による悪影響とは
熱帯魚は脂肪細胞が少ない生き物ですが、餌をあげすぎるとやはり肥満になることがあります。肥満になるとさまざまな病気を引き起こして寿命を縮める原因となるほか、内臓脂肪の蓄積によって生殖器が未発達になることも。生殖器が未発達になると生殖機能が低下するため、繁殖させるのが難しくなってしまいます。また、肥満になると魚の体型がくずれてしまうため、見た目にもよくありません。観賞用に飼っているならなおさら肥満には注意したいところです。
熱帯魚を肥満にさせないためには?
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熱帯魚の太りすぎを防ぐためには、当然ながら適切な量の餌を与えることが最も重要です。飼育している魚の種類や個体数、また餌の種類によって適切な量はさまざまなので一概にこの量とは言えませんが、目安としては2~3分で全てを食べきれるくらいの量で十分です。また、餌やりの頻度は1日1回、多くても2回でOK。食べる姿が可愛いからと言って、頻繁に餌を与えるのは控えましょう。
肥満ではなく病気の可能性も
ただし、お腹がぽっこり膨れているのを太りすぎが原因だと思っていたら、実は病気だったということもあります。肥満と間違えられやすいのが、腹水病と呼ばれる病気です。この病気は内臓の炎症によってお腹がパンパンに腫れあがってしまう病気で、水槽内に常在しているエロモナス菌という菌によって引き起こされます。そのまま放っておくと、最悪の場合死に至ることも。
腹水病の場合は食欲がなくなったり、活発な魚でも普段よりじっとしていたりといった特徴が現われます。そのため、お腹が膨らんでいる場合は普段と違う点がないかよく観察し、腹水病の可能性があれば薬餌を与えるなどの対策を取りましょう。
魚のメタボリックに注意しましょう
熱帯魚の中には、お腹がパンパンになっても与えられただけの餌を食べきってしまうものも多くいます。「熱帯魚は太らない」という思い込みは捨て、餌のやりすぎは肥満のもとだということをしっかり心に留めて正しく飼育しましょう。